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zoom RSS 澁澤龍彦著・東西不思議物語

<<   作成日時 : 2007/12/01 01:10   >>

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「東西不思議物語」・澁澤龍彦著(1977年・毎日新聞社/河出文庫)

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「ぐうたらママ」と併載
「東西不思議物語」は毎日新聞日曜版の「ぐうたらママ」(古谷三敏氏)の脇か最下部に掲載されていた。吾が輩が小僧の頃だったから、ずいぶん昔の話だ。してみると「ぐうたらママ」も長寿漫画である。あの一家も相変わらずだ。そういえば、ぐうたらママさんみたいなオバサンは普通にいたものだ。奈良の大仏さんみたいなパーマがトレードマークであった。夕方になると買い物カゴぶらさげ、商店街に出陣。編隊を組めば、金銀でコラボレーションされた口が休むことなく動く。大地をドカドカ行進するのは壮絶であった。今ではすっかり見なくなったが、いわゆる昭和テイストのオバサンは絶滅してしまったのだろうか。いや、これは本題に関係がなかった。
私は「ぐうたらママ」を見るついでに「東西不思議物語」を見たのだ。奇妙な挿絵に釣られて読んだといったほうが本当の所だ。藤本蒼猪氏の不気味な絵は小僧にはインパクトがあった。挿絵で読むこともあるのだから、挿絵の役割は重要だと思う。河出文庫にも収められているのはよいことだ。著者の澁澤龍彦氏のなんたるかもぜんぜん知らなかった。しかし字画の多い名前だと思った。私の周りで、こんなゴチャゴチャした漢字の人はいない。こりゃ、書いていることもヘンテコだし、目つきの悪い怖いじいさんだと想像したものだ。後年、氏の写真を見て私の想像は全く外れた。どちらかと言えば、ヤサ男で長髪にサングラス、一見GS風ファッションだ。氏の話しによるとフォーク・シンガーに間違われたこともあるそうだ。これは「旅のモザイク」(河出文庫)にある。なるほど、澁澤氏にギターを持たせても違和感はないだろう。新聞の切り抜きで私家版「東西不思議物語」を作った人もいるかもしれない。今思えば興のあることだ。
河出版は、1982年6月4日が初版で、整理番号が「し 1‐1」となっているから、澁澤氏のエッセイでは初の文庫作品になると思うが。渋澤氏の本は、豪華版で高額であったから小僧の小遣で買える代物ではなかった。これで書斎の貴族も庶民的になったわけだ。
入口だけのホースは存在するか?
11月27日の毎日新聞(夕刊)より。鹿児島県・種子島で頭が二つあるアオダイショウの子蛇が捕まったそうだ。写真も出ているが、首のあたりで枝分かれしてY字型になっている。体長27センチ、頭の大きさは2センチという。キングギドラの遺伝子が混じっているのかもしれない。なんとも魔的なスタイルだ。しかし双頭の蛇はネットで調べると画像はかなり出てくるから、それほど珍しくないのかもしれない。見つからなかったのは両端に頭のある蛇だ。これは嫌な感じだ。動物の一番単純化した形は円筒で一方を入口と定めれば他方は出口で、これにマッチ棒4本付け加えればほぼ完成だ。蛇は簡単でホースみたいなもんと考えれば差し支えないだろう。入口あって出口なしのホースはエッシャーの世界みたいだ。感覚的に前後がないと許せないものがあるから気持ち悪い。澁澤氏の「頭の二つある蛇のこと」に両端に頭のある蛇のことが書いてあった。文政七年に本所で捕まったらしい。昔のことであるから澁澤氏も真偽はわからないという。ヨーロッパではアムピスバエナと称するらしい。どちらの方向へも進むことが出来る意味だそうだ。バックが可能なわけだ。「東西不思議物語」は一つのテーマに東と西の不思議を集めたエッセイ集である。変な感覚にひたりたい人にはお奨めだ。

運良く(悪く)新聞に蛇の話が出ていたので、こうなった。私は蛇は大嫌いなんだが。「腹のなかの応声虫のこと」がよいと思う。これに似た話は芥川の「酒虫」にもある。「ウツボ舟の女のこと」は澁澤氏の短編小説「うつろ舟」のタネ本である。全49篇、どこから読んでもかまわない。今度は後ろから読んでみようか。そうしたら化け物が現れるかもしれない。しかし、口裂け女以来化け物の話は巷にないようだ。いや人間が、こんなに悪くなったら化け物も怖くて出て来られないだろうよ。

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澁澤龍彦、幻想の世界NO.37・・・「澁澤龍彦 幻想文学館」(仙台文学館)
NHK教育の番組「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」で、今月澁澤龍彦を取り上げるのにあわせて、ボクのブログもこの月は澁澤メインで行こうと決めて、来る日も来る日もつらつらと書いてきたのであります。番組の方といえば登場したゲスト、四谷シモン、金子國義、細江英公、巌谷國士ともに澁澤への熱き思いを語っていました。 ...続きを見る
飾釦
2007/12/01 11:36

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この前のNHKでみました。澁澤龍彦を知る人物が登場して亡き澁澤氏を語るという番組。きっとマルジナリアさんも、ですね? サドの美徳の不幸を読んだことがありますが、すげぇ〜、というお下品な奇声をあげた記憶があります。これを訳した澁澤氏の感性というか世に問う(?)姿勢というか、あっぱれだなあと。テレビでみた氏の姿は本当に少年のようでした。早くに他界させた病魔がにくいですね。
ぶきおん
2007/12/12 21:51
あっ〜、その番組みていないんですよ。あとで知って残念でした。「美徳の不幸」を読まれましたか。私は「悪徳の栄え」とか「閨房の哲学」を読みましたが、似たり寄ったりだと思います。ああいう獣性まるだしの肉欲は日本人には、う〜んあんまり向かないんじゃないかな。本当に下品で卑猥で汚くて、気持ちが悪かった。私は谷崎潤一郎ぐらいが限界です。返信遅れましたが、ありがとうございます。
マルジナリア
2007/12/13 22:38

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