吉田健一著・私の食物誌

「私の食物誌」・吉田健一著(昭和47年11月・中央公論社)

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 著者後記によれば、昭和46年、読売新聞に連載したものに、新たに八回分を加えて本にしたものである。吉田健一晩年の著作であるが、やや、まどろっこしい、独特の文体は健在で、氏の書いたものの中では軽いほうに属するエッセィである。吉田健一も鬼籍に入って久しいけれど、煙草を片手に猪口で一杯やっている写真を見ると、なんともうれしそうで、人生八十年、三度の飯をけちるよりは、旨いものを食べるに限ると思わずにはいられない。だいたい、値の張るものは旨いが、そうでなくとも心を豊かにするものを食べるべきである。吉田健一は、ずいぶんと旨いものを食べた。自分も機会があったら、ぜひ、口にしたいと思う。そう思わせるエッセィである。旨いものは旨い、ただ、それだけで十分なのが吉田健一流である。


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